- 太陽光発電のやめたほうがよいって本当?
- 後悔しないための方法を教えてください。
こんな疑問にお答えします。
本記事を書いている私は、電気のプロ歴10年です。
今回は「太陽光発電を利用することはやめたほうがよい?」について解説します。
本記事を読めば、太陽光発電を利用するうえで後悔しない方法を理解できます。
10分で読めますので、ぜひ最後までご覧ください。
「太陽光発電はやめたほうがよい」と言われる理由
「おすすめしない」とか言われますけど、
理由は何でしょうか?
- 導入するための費用が高い
- 電気を売るときの価格が下がっている
- 予想よりも「元を取る」のに時間がかかる
導入するための費用が高い
家庭用(5kW)の太陽光発電を設置するとき、費用は130万円ぐらいです。
なぜなら、設置費用が26.1万円/kWなので、
5kW × 26.1万円/kW = 130.5万円
と計算できるからです。
詳しくは、こちらに計算方法があるので、参考にしてください。
130万円は、あくまで目安ですが、100万円以上の買い物となると失敗したくないですよね。
だから、「やめたほうがいい」とか「おすすめしない」とか言われます。
経済産業省のデータによると、
(前略)
平均値の内訳は、太陽光パネルが約55%、工事費が約27%を占める(参考 22)。
(以下略)
出典:「令和5年度以降の調達価格等に関する意見 P.22」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20230208_1.pdf)(2023年7月17日に利用)
となっており、太陽光発電の費用は、半分以上が「太陽光パネル」です。
経済産業省のデータによると、費用は下表の通りです。
出典:「令和5年度以降の調達価格等に関する意見 P.22」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20230208_1.pdf)を加工して作成(参照日2023年7月17日)
年 費用(新築) 2012年 43.1万円/kW 2013年 39.1万円/kW 2014年 36.7万円/kW 2015年 35.8万円/kW 2016年 34.5万円/kW 2017年 34.4万円/kW 2018年 31.3万円/kW 2019年 29.2万円/kW 2020年 28.3万円/kW 2021年 27.1万円/kW 2022年 26.1万円/kW
つまり、住宅用(5kW)の太陽光発電の場合、
2012年だと
5kW × 43.1万円/kW = 215.5万円 ≒ 215万円
でしたが、
2022年だと
5kW × 26.1万円/kW = 130.5万円 ≒ 130万円
となっており、ずいぶん安くなっていることが分かります。
あるでしょうか?
「何を重要視するか」が大切です。
例えば「低価格」を重要視するなら、なるべく安いメーカーが良いです。
この場合、一度、専門業者の見積りを取ってみると良いでしょう。
・住宅用の「太陽光発電と蓄電池」をセットで導入するなら
» ソーラーパートナーズの公式サイトへ(見積り無料)
・産業用の「太陽光発電と蓄電池」をセットで導入するなら
» タイナビNEXTの公式サイトへ(見積り無料)
・後付けで「蓄電池のみ」設置するだけなら
» タイナビ蓄電池の公式サイトへ(見積り無料)
※住宅用と産業用の蓄電池に対応しています。
電気を売るときの価格が下がっている
電気を売るときの価格(FIT調達価格)は、年々下がっています。
(前略)
①太陽光発電(10kW未満):
(参考)2021年度 (参考)2022年度 (参考)2023年度 2024年度 FIT調達価格 19円/kWh 17円/kWh 16円/kWh 16円/kWh (以下略)
出典:「令和5年度以降の調達価格等に関する意見 別紙1」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20230208_1.pdf)(2023年7月17日に利用)
電気を売るときの価格が、年々下がっているので、
「やめたほうがいい」とか「おすすめしない」とか言われます。
先程も解説したように「導入するための費用」も年々下がっています。
太陽光発電を「導入するための費用」が安くなっているので、
「電気を売るときの価格」が下がっても、合計で考えれば損ではありません。
合計で考えるというのは、
太陽光発電を導入するためにかかった費用を
電気を売ったり、節約したりすることによって、
「何年間で元が取れるか」と考えます。
計算してみたところ、下表の通りです。
年 | 電気料金の単価(目安) | 電気を売るときの価格 | 費用(新築) | 年数 |
---|---|---|---|---|
2021年 | 27円/kWh | 19円/kWh | 27.1万円/kW | 約12年間 |
2022年 | 31円/kWh | 17円/kWh | 26.1万円/kW | 約12年間 |
2023年 | 31円/kWh | 16円/kWh | 26.1万円/kW(※) | 約12.5年間 |
※2023年の費用(新築)は「2022年と同じ」にしてます。
また、電気料金の単価(目安)は下記から引用してます。
(前略)
現在の目安単価は、31円/kWh(税込)です。
(以下略)
引用:・よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(参照日2023年7月17日)
(前略)
新電力料金目安単価 27円/kWh(税込)
(以下略)
引用:「電力料金の目安単価」改定に関する件|公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(参照日2023年7月17日)
家庭用(5kW)の太陽光発電で、年間の発電量を5500kWh、自家消費率を20%として計算しています。
計算方法は、下記の記事を参考にしてください。
電気を売るときの価格は
19円/kWh → 17円/kWh → 16円/kWh
と下がっていますが、
太陽光発電を導入するための費用も
27.1万円/kWh → 26.1万円/kWh
と下がっています。
そのため、元が取れる年数は
12年間 → 12.5年間
とあまり変わっていません。
なので、今から設置しても損ではありません。
ただし、元が取れる年数は、あくまで目安です。
その理由を次に解説します。
予想よりも「元を取る」のに時間がかかる
実際は、予想よりも「元を取る年数」が長くなる可能性があります。
理由は、以下の通り。
- 実際の日射量が思ったより少なく、太陽光パネルの発電量が減る。
- 「導入するための費用」だけでなく、太陽光発電の設備を「維持するための費用」も発生する。
- 電気料金の単価31円/kWhは目安で、実際の単価は電力会社によって異なる。
具体例で解説します。
家庭用(5kW)の太陽光パネルの発電量:5500kWh/年
導入するための費用:130.5万円
電気料金の単価(目安):31円/kWh
電気を売るときの価格:16円/kWh
電気料金の節約:3.5万円/年
電気の買取価格:7万円/年
元が取れる年数:12.5年
※計算方法が気になる方は、下記の記事を参考にどうぞ。
» 太陽光発電のメリット・デメリット【電気のプロのわかりやすい解説】
実際の日射量が思ったより少なく、太陽光パネルの発電量が減る
太陽光パネルの発電量が
5500kWh/年 → 5100kWh/年
に減った場合、
家庭用(5kW)の太陽光パネルの発電量:5100kWh/年
導入するための費用:130.5万円
電気料金の単価(目安):31円/kWh
電気を売るときの価格:16円/kWh
電気料金の節約:3.2万円/年
電気の買取価格:6.5万円/年
元が取れる年数:13.5年
となり、「元が取れる年数」は
12.5年 → 13.5年
と長くなります。
太陽光発電の設備を「維持するための費用」も発生する
メンテナンスを「4年に1回」実施すると、
12年 ÷ 4年 = 3回
となり、12年間で3回実施します。
家庭用(5kW)の太陽光発電を「維持するための費用」は、
1回あたりのメンテナンス費用:2万円
とすると、
維持するための費用 = 3回 × 2万円 = 6万円
となります。
家庭用(5kW)の太陽光パネルの発電量:5500kWh/年
導入するための費用 + 維持するための費用 :130.5万円 + 6万円
電気料金の単価(目安):31円/kWh
電気を売るときの価格:16円/kWh
電気料金の節約:3.5万円/年
電気の買取価格:7万円/年
元が取れる年数:13.0年
となり、「元が取れる年数」は
12.5年 → 13.0年
と長くなります。
実際の単価は電力会社によって異なる
電力会社の電気料金の単価が
31円/kWh → 24円/kWh
のように、予想よりも少なかった場合、
家庭用(5kW)の太陽光パネルの発電量:5500kWh/年
導入するための費用:130.5万円
電気料金の単価:24円/kWh
電気を売るときの価格:16円/kWh
電気料金の節約:2.6万円/年
電気の買取価格:7万円/年
元が取れる年数:13.5年
となり、「元が取れる年数」は
12.5年 → 13.5年
と長くなります。
以上のように、「元を取る年数」が、予想よりも長くなる可能性があるので、
太陽光発電は「やめたほうがいい」とか「おすすめしない」とか言われます。
年々、下がっていくのでは?
その期間内であれば、電気を売るときの価格は変化しません。
固定買取期間(調達期間)とは、
「電気を売るときの価格」が下がることなく、同じ価格で売ることができる期間のことです。
どのくらいの期間かというと、経済産業省のデータによると10年間です。
(以下略)
出典:「令和5年度以降の調達価格等に関する意見 別紙1」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20230208_1.pdf)(2023年7月17日に利用)
調達期間 → 10年間
この期間内であれば、価格が急に下がっても影響を受けません。
ただし、10年経過すると価格は下がるので、その分だけ「元が取れる年数」は長くなります。
太陽光発電で後悔しないための方法【蓄電池を利用する】
太陽光発電で後悔しないためには、蓄電池とセットで利用することです。
その理由は3つあります。
- 電気料金の値上げの影響を受けにくい
- 電気料金の節約効果が上がる
- 停電対策に役立つ
電気料金の値上げの影響を受けにくい
電気料金は年々上がってます。
(前略)
(以下略)
出典:「日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」」(資源エネルギー庁)(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2022/002/)(2023年7月17日に利用)
例えば、家庭用で、
2021年度の電気料金 - 2011年度の電気料金
= 28.09円/kWh - 22.32円/kWh
= 5.77円/kWh
となり、10年間で5円以上も上がっています。
つまり、
5.77円/kWh ÷ 22.32円/kWh = 0.258 ≒ 25.8%
であり、25%以上も値上がりしたことになります。
しかし、太陽光発電を蓄電池とセットで使用すれば、電気料金の値上がりの影響を受けにくくなります。
なぜなら、蓄電池に電気を貯められるからです。
太陽光パネル(ソーラーパネル)だけであれば、
昼にソーラーパネルの電気を使用し、夜に電力会社の電気を使用します。
しかし蓄電池があれば、昼に電気を貯めて、夜に使用できるので、
電力会社の電気をほとんど使いません。
これなら電気料金が上がっても、あまり影響を受けずに済みますね。
今後、電気料金はさらに上がると思います。
その理由については、下記の記事で解説しているので、参考にどうぞ。
電気料金の節約効果が上がる
家庭用(5kW)の太陽光発電の固定買取期間(調達期間)は、10年間でした。
(以下略)
出典:「令和5年度以降の調達価格等に関する意見 別紙1」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20230208_1.pdf)(2023年7月17日に利用)
調達期間終了後の売電価格 → 9.0~10.0円/kWh
調達期間 → 10年間
固定買取期間(10年間)が過ぎると、
電気を売るときの価格(調達期間終了後の売電価格)は、9.0~10.0円/kWhに下がります。
こんなに下がるのであれば、
電気を売るよりも、自分で使用して電気料金を節約した方がお得です。
電気を売るときの価格:9.0~10.0円/kWh < 電気料金の単価(目安):31円/kWh
「売るはずだった電気」を蓄電池に貯めておけば、ほとんど電力会社の電気を使いません。
太陽光パネルだけでも、ある程度の電気料金を節約できますが、
蓄電池とセットで使用することで、電気料金の節約効果をアップできます。
いくらで設置できるのでしょうか?
下記のサイトから、カンタンに見積りを依頼できます。
見積りは無料で、強引な営業はありません。
ノーリスクなので、お気軽にどうぞ。
・住宅用の「太陽光発電と蓄電池」をセットで導入するなら
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※住宅用と産業用の蓄電池に対応しています。
停電対策に役立つ
近年、地震や台風など、大規模な災害が増えています。
(前略)
□ 平成30年6月 大阪府北部地震
・震源:大阪府北部、最大震度:6弱、マグニチュード:6.1
・都市ガス供給支障:約11万戸□ 平成30年7月 平成30年7月豪雨
・ 四国地方:1800mm、中国地方:500mm
(6月28日~7月8日の総雨量、月降水量平年値の2~4倍程)
・ 停電:約8万戸、都市ガス供給支障:290戸□ 平成30年8月 台風20号
・ 風速:41.9m/s(和歌山市)潮位:1.8m(神戸市・姫路市)
・ 停電:約17万戸、風力発電設備(淡路市)の倒壊□ 平成30年9月 台風21号
・ 風速:48.2m/s(室戸市)、潮位:3.3m(大阪市)
・ 停電:約240万戸 ※約2週間で復旧□ 平成30年9月 北海道胆振東部地震
・ 震源:胆振地方中東部、最大震度:7 、マグニチュード:6.7
・ 停電:約295万戸、熱供給支障:約3,100戸 ※停電起因□ 平成30年9月 台風24号
・ 風速:40.0m/s(奄美市)、潮位:3.0m(御坊市)
・ 停電:約180万戸 ※約1週間で復旧(以下略)
出典:「平成30年度に発生した災害とその対応 P.2」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/pdf/002_02_00.pdf)(2023年7月17日に利用)
災害によって停電になると、とても困りますよね。
例えば、冷蔵庫が止まってしまうと、食べ物がダメになります。
新しく買いに行こうにも、交通機関がマヒしていると、新しく食べ物を用意することができなくなります。
このような停電に備えるため、太陽光パネルの電気で、家電製品が止まらないようにします。
しかし、天気が悪くて太陽が出てないと、太陽光パネルで発電できず、家電製品が止まります。
そこで、蓄電池もセットで使用します。
天気が良いときに電気を貯めておき、天気が悪くなったら、
蓄電池の電気を使用することができます。
これで、天気の影響を受けにくくなりますね。
停電対策だけであれば、「蓄電池のみ」設置する方法もありますよ。
蓄電池には、太陽光パネルの電気だけでなく、
電力会社の電気を貯めることができるものもあります。
つまり、蓄電池のみ設置すれば、いざ停電したときに蓄電池の電気を使用できます。
詳しくは下記の記事で解説してるので、参考にどうぞ。
まとめ
「太陽光発電はやめたほうがよいかどうか」について解説しました。
後悔しないためには「蓄電池とセットで使用した方が良いこと」を理解できたでしょうか?
本記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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