- 太陽光発電のメリット、デメリットを分かりやすく教えてください。
- 何年で導入コストの元が取れるの?普及しない理由は?
- 本当に環境にやさしいの?
こんな疑問にお答えします。
本記事を書いている私は、電気のプロ歴10年です。
太陽光発電のメリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。
本記事を読めば、どのようなメリット・デメリットがあるのか、理解できます。
5分で読めますので、ぜひ最後までご覧ください。
太陽光発電のメリット・デメリット
太陽光発電のメリットとデメリットは、2つの観点があります。
- コスト(お金)
- 停電対策
コストのメリット・デメリット
メリット | 電気料金を節約できる |
デメリット | 導入コストが高い |
電気料金の節約
コストのメリットは「電気料金の節約」があります。
実際に計算してみましょう。
住宅用(5kW)の太陽光パネル(ソーラーパネル)は、年間の発電量が約5500kWhです。
この5500kWhを100%としたとき、2種類の方法で節約できます。
・自分で使用する(20%)
・売却する(80%)
太陽光パネルで発電した電気を、20%だけ自分で使用し、余った80%を売却するということです。
自分で使用する場合、
5500kWh × 20% = 1100 kWh
となり、電気料金の単価は、
(前略)
電力料金は地域により異なる場合がありますので、家電公取協では、
電気事業連合会のご協力により得られた全国の電力料金を踏まえ、目安単価を決めています。
現在の目安単価は、31円/kWh(税込)です。(以下略)
引用:・よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(参照日2023年7月9日)
よって、
1100kWh × 31円/kWh = 34100 円 ・・・ ①
となります。
太陽光パネルの発電によって、年間34100円の電気料金を節約できる計算です。
売却する場合、
5500kWh × 80% = 4400 kWh
となり、固定買取価格は、
(前略)
①住宅用太陽光発電・事業用太陽光発電(入札対象外)
電源 規模 (参考)
2022年度2023年度
上半期2023年度
下半期2024年度 住宅用太陽光発電 10kW未満 17円 16円 16円 (以下略)
出典:「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2023年度以降の買取価格等と2023年度の賦課金単価を設定します」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230324004/20230324004.html)(2023年7月9日に利用)
上表より、16円/kWhなので、
4400kWh × 16円/kWh = 70400 円 ・・・ ②
となります。
余った電気を、年間70400円で売却できる計算です。
①+②より、
34100円 + 70400円 = 104500円 ≒ 10万円
となり、年間で合計10万円、節約できることになります。
年間10万円は、あくまで目安です。
なぜなら、変動する要因があるからです。
・年間の発電量
・発電した電気を自分で使用する割合(今回は20%で計算)
・電気料金単価
・電気の固定買取価格
など。
例えば「年間の発電量」は、
太陽光パネルを設置する場所によって日射量が変わるので、
発電量も変わってきます。
導入コストが高い
コストのデメリットは「導入コストが高い」ことです。
理由は、経済産業省のデータです。
(前略)
新築案件について、 設置年別に見ると、
2022年設置の平均値は 26.1万円/kW(中央値 26.9 万円/kW)となり、
2021 年設置より 1.0 万円/kW(3.6%)、
2020 年設置より 2.2 万円/kW(7.7%)減少した。
(以下略)
出典:「令和5年度以降の調達価格等に関する意見 P.22」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20230208_1.pdf)(2023年7月9日に利用)
つまり、
太陽光発電の容量:5kW
1kW当たりの設置費用:26.1円/kW
なので、
5kW × 26.1万円/kW = 130.5万円 ≒ 130万円
ということです。
何年で元が取れる?
なぜかと言いますと、
電気料金の節約:年間で10万円程度の節約
導入コスト:130万円程度
ということは、
導入コストに130万円かかっても、1年間で10万円節約できるということなので、
130万円 ÷ 10万円 = 13年間
となります。
もうちょっと細かく計算すると
電気料金の節約:10万円程度 → 104500円
導入コスト:130万円程度 → 130.5万円
でしたので、
130.5万円 ÷ 104500円 = 12.48年間 ≒ 12.5年間
となります。
13年間、あるいは12.5年間で元が取れるというのも、あくまで目安です。
メンテナンス費用・修理費・保険料によって、
コストは上がったりします。
詳しくは、業者に見積もりを取ってみると良いでしょう。
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太陽光発電が普及しない理由
元が取れるのに10年以上かかるとなれば、
簡単には導入に踏み切れない・・・
という人もいますよね。
そんな人には、蓄電池とセットで導入することをオススメします。
蓄電池の導入コストは年々下がっており、電気料金節約の効率アップも期待できます。
何より、補助金を受けられる可能性があるので、導入のチャンスです。
災害時のメリット・デメリット
メリット | 停電対策 |
デメリット | 天候の影響を受ける |
停電対策
地震や暴風雪のような災害時に、大規模な停電は起こります。
最近で言えば
・北海道胆振東部地震
・秋田県の沿岸部を中心とした暴風雪
があります。
何がツラいかというと、冷蔵庫が止まってしまい、食べ物がダメになってしまうことです。
新しく調達しようにも、交通機関がマヒしているため、それもできません。
また、エアコンやファンヒーターも止まります。
そうすると、暴風雪の寒いときに、暖をとることが難しくなります。
とてもツラい思いをするので、停電対策はしておいた方が良いです。
天候の影響を受ける
例えば、災害時に曇(くも)があると、発電量は大きく減ります。
そのため、冷蔵庫も止まってしまい、エアコンやファンヒーターも
安定して動かなくなってしまいます。
では、どうすれば良いかといいますと、次で解説します。
蓄電池とセットが良い
雲(くも)があるときでも、安定して電気を供給するためには、蓄電池とセットで使用するのが良いです。
なぜかといいますと、
晴れているときに電気を貯めておけば、雲(くも)があるときに使用できるからです。
これにより、天候の影響を受けにくくなります。
太陽光発電のその他のメリット:環境にやさしい
ただ「環境にやさしいから・・・」という理由で、ご家庭に太陽光発電を設置する人は少ないでしょう。
しかし、企業にとっては、良いイメージ向上につながります。
なぜなら、サステナブル経営(持続可能な経営)が求められているからです。
(前略)
日本における発電電力量は、2021年時点で化石燃料による発電が72.9%で、前年から3.5%減少しました。
(以下略)
引用:【2023年最新】日本における発電の割合は?再エネ発電普及のポイントを解説|アスエネメディア(参照日2023年7月9日)
火力発電は、発電時にCO2(二酸化炭素)を出します。
CO2が増加すると、地球の平均気温が上昇し、異常気象の発生につながるので、72.9%は多いですよね。
このままでは、
「持続可能な」社会
↓
「いつまでも続いていく」社会
を実現することは難しいです。
太陽光発電は、発電時にCO2を出しません。
なので、太陽光発電は環境にやさしく、企業にとってはイメージ向上のメリットがあります。
まとめ
太陽光発電のメリット・デメリットについて解説しました。
コストや停電対策について、メリット・デメリットがあることを理解できたでしょうか?
本記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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