- 太陽光発電を自家消費型にするには、どうすれば良いですか?
- 自家消費型に切り替えるには、何から始めれば良いでしょうか?
こんな疑問にお答えします。
本記事を書いている私は、電気のプロ歴10年です。
今回は「自家消費型太陽光発電」について解説します。
本記事で自家消費型を理解すると、どんな会社に工事を依頼すれば良いか分かるようになりますよ。
5分で読めますので、ぜひ最後までご覧ください。
自家消費型太陽光発電
太陽光発電には2つのタイプがあります。
- 余剰売電型
- 自家消費型
余剰売電型
余剰売電型は、太陽が出ている昼間にソーラパネルで発電した電気を
・自分で使う
・余った分は売る
というタイプです。
自家消費型
自家消費型は、太陽が出ている昼間にソーラパネルで発電した電気を
・自分で使う
・電気を貯めて、太陽が出てないときに使う
というタイプです。
つまり、
余剰売電型 → 蓄電池なし
自家消費型 → 蓄電池あり
ということです。
「自家消費のみ」を目指す家庭が増えている理由
理由は、電気料金が年々上がっているためです。
(前略)
(以下略)
出典:「日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」」(資源エネルギー庁)(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2022/002/)(2023年9月11日に利用)
余剰売電型は、電気を貯めておくことができないので、
「太陽が出てない夜間」や「天気が雨や曇り」のときは、
電力会社の電気を使います。
こうなると、電気料金が発生します。
今後も電気料金が値上がりする可能性は高いので、
できるだけ「電力会社の電気を使わないようにしたい」というわけです。
- 資源価格の上昇
- 原子力発電の稼働停止
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金の上昇
資源価格の上昇
日本は、火力発電が多くの割合を占めており、
その資源は
・石炭
・天然ガス
・原油
です。
これらの価格が上がっています。
出典:世界経済のネタ帳(https://ecodb.net/commodity/group_oil.html)(参照日2023年10月8日)
出典:世界経済のネタ帳(https://ecodb.net/commodity/group_coal.html)(参照日2023年10月8日)
出典:世界経済のネタ帳(https://ecodb.net/commodity/group_ngas.html)(参照日2023年10月8日)
特に2022年は、
・発展途上国のエネルギー需要の上昇
・ロシアの輸出入禁止
などの影響より、とても値上がりしています。
資源の価格が上がっているなら、電気料金が値上がりするのも、やむを得ないですね。
原子力発電の稼働停止
下表は、日本における「発電量の構成比」です。
(前略)
(以下略)
出典:「日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」」(資源エネルギー庁)(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2022/001/)(2023年9月11日に利用)
火力発電以外の方法として、原子力発電がありました。
しかし、記憶に残っている人も多いと思いますが、
2011年の東日本大震災をキッカケに、
全国の原子力発電所は次々に稼働を停止しました。
2010年度、11.2%あった原子力発電は、
2011年度から、ほとんど利用してない比率となっています。
火力発電に頼るしかない状況ですね。
また、原子力発電に関しては、コレだけではありません。
原発事故による賠償金があります。
福島第一原子力発電所の事故による賠償金
福島第一原子力発電所の事故による賠償金は
電気料金に上乗せされています。
(前略)
家庭向け電気代の3割ほどを占める託送料金(送電線使用料)には、
東京電力福島第一原発事故の賠償費用が2020年度から上乗せされている。(以下略)
引用:原発事故賠償費の送電線使用料への上乗せ、適法か?22日に判決|2023年3月21日 朝日新聞デジタルより(参照日2023年9月11日)
国に対して、取り消しを訴える動きもありましたが、
福岡地方裁判所は、訴えを退けました。
また、賠償金の見積りは、
2013年 → 11兆円
2016年 → 21.5兆円
と、わずか3年で2倍に増えました。
もし今後さらに見積りが増えたら
電気料金も、さらに上がるのでは・・・(汗)
と思ってしまいます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の上昇
(以下略)
出典:「令和5年度以降の調達価格等に関する意見 別紙1」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20230208_1.pdf)(2023年9月11日に利用)
FIT制度の売電価格(FIT調達価格) → 16~19円/kWh
本来の価格(調達期間終了後の売電価格) → 9.0~10.0円/kWh
FIT制度の売電価格(調達価格)は
本来の価格(調達期間終了後の売電価格)よりも、高く設定されています。
太陽光で発電した電気を、本来の価格よりも高く売れるように設定することで、
再生可能エネルギーの1つである太陽光発電を普及させよう
という意図があります。
しかし、売電価格を本来の価格よりも高く設定すると、
その差額は誰が負担するのでしょうか?
それは
電気を使うすべての人
つまり、
私たち
です。
なので「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として、電気料金に上乗せされています。
どのくらい上乗せされているかというと
下図をご覧ください。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の推移です。
全体的に、徐々に上がっています。
2022年度は、3.45円/kWhです。
一般的な家庭の電力使用量を
1か月あたり:400kWh
とすると、
3.45円/kWh × 400kWh = 1,380円
となり、一般的な家庭の負担が、月千円以上も増えています。
年間で考えると
1,380円 × 12か月 = 16,560円
となり、年間で1万円以上も増えています。
2023年度は下がりましたが、
今後も下がるのか、それとも上がってしまうのか、
それは分かりません。
いずれにせよ、このような賦課(ふか)金も、電気料金に上乗せされています。
これら3つの理由で、電気料金の値上がりに備えるために
「蓄電池あり」の自家消費型にする家庭が増えています。
個人の力では、世の中の変化をコントロールできません。
なので、
個人で世の中の変化に対応していくしかない
ということですね。
なお「蓄電池あり」で太陽光発電を導入するメリットは、他にもあります。
詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にどうぞ。
自家消費型太陽光発電の費用
人によって、状況はさまざまです。
例えば、
・太陽光パネルと蓄電池をセットで導入する
・すでに太陽光パネルはあるので蓄電池のみ導入する
・国から補助金を受ける
など。
一度、専門業者に相談してみると良いでしょう。
・住宅用の「太陽光発電と蓄電池」をセットで導入するなら
» ソーラーパートナーズの公式サイトへ(見積り無料)
・産業用の「太陽光発電と蓄電池」をセットで導入するなら
» タイナビNEXTの公式サイトへ(見積り無料)
・後付けで「蓄電池のみ」設置するだけなら
» タイナビ蓄電池の公式サイトへ(見積り無料)
※住宅用と産業用の蓄電池に対応しています。
自家消費型への切り替え方法【仕組みと接続方法】
太陽光発電を自家消費型にするには、2つのパターンがあります。
- 初めて太陽光発電システムを導入する
- 今の太陽光発電システムを自家消費型にする
初めて太陽光発電システムを導入する
家庭用であれば、
太陽光発電の自家消費型に必要な設備は
下記の3つです。
・ソーラパネル(太陽光パネル)
・蓄電池
・パワーコンディショナー
これで、
太陽が出ているとき → 電気を蓄電池に貯める
太陽が出てないとき → 蓄電池の電気を使う
ということが、できるようになります。
今の太陽光発電システムを自家消費型にする
すでにソーラパネル(太陽光パネル)があるなら、
蓄電池を追加しましょう。
と、言いたいところですが、そんな単純な話ではありません。
実は、蓄電池用パワーコンディショナーが必要になります。
もともと「蓄電池なし」で太陽光発電システムを導入していたのなら、
ソーラパネル用パワーコンディショナーの可能性が高いので、
蓄電池と接続することができません。
また、今まで使用していたソーラパネル用パワーコンディショナーをなくして、
ソーラパネル用と蓄電池用が一体となったパワーコンディショナーにすることもできます。
「何年くらい使用しているか」
で判断すると良いでしょう。
パワーコンディショナーの寿命は、だいたい10年くらいです。
ソーラパネル用パワーコンディショナーを2~3年しか使用してないなら、
単機能(蓄電池用パワーコンディショナー)が良いです。
ソーラパネル用パワーコンディショナーを10年くらい使用しており、
そろそろ交換する時期なら、
ハイブリッド(ソーラパネル用と蓄電池用が一体となったパワーコンディショナー)
が良いです。
これついては、専門の業者にも相談して決めていくと良いでしょう。
・住宅用の「太陽光発電と蓄電池」をセットで導入するなら
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・産業用の「太陽光発電と蓄電池」をセットで導入するなら
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・後付けで「蓄電池のみ」設置するだけなら
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※住宅用と産業用の蓄電池に対応しています。
蓄電池はどのメーカが良い?
・オムロン
・京セラ
・ニチコン
・パナソニック
・シャープ
・ファーウェイ
など、様々なメーカがありますが、
どのメーカが良いのでしょうか?
「何を重要視するか」が大切です。
例えば
低価格 → 安い蓄電池
大容量 → 容量の大きい蓄電池
サイズ → コンパクトサイズの蓄電池
を提供しているメーカを選ぶと良いでしょう。
なお、蓄電池を選ぶなら下記の記事を参考にどうぞ。
いろいろなメーカの蓄電池を選べるサイトを紹介しています。
太陽光発電の自家消費とエコキュートの連携
太陽光で発電した電気はエコキュートに使えます。
ただし、エコキュートでお湯を沸かす時間を夜にすると・・・
太陽が出てないので、やはり蓄電池が必要になります。
下記の記事を参考にしてください。
自家消費型太陽光発電の手続き
手続きの流れは、下記の通りです。
太陽光発電の専門会社に相談する
↓
現地を調査してもらう
↓
見積もりをもらう
↓
契約の手続きをする
太陽光発電の専門会社に相談する
太陽光発電の専門会社は
- 販売店
- 施工会社
に分かれます。
一般的には、
販売店と契約して、販売店から施工会社に工事を依頼する
となり、販売店と施工会社は別々の会社になります。
そうなると、
・利益が2社分になるので、価格が高くなる
・販売店の仕事は「販売」なので「工事」に責任を持たない
というようなデメリットがあります。
そうならないためのポイントは、
販売から工事まで1社で対応している会社
に相談することです。
例えば、下記の会社は、販売から工事どころか、アフターフォローまで対応しています。
この会社への相談は無料です。
プロのアドバイザーにも相談できます。
強引な営業はありませんので、ノーリスクです。
お気軽にどうぞ。
ただし、ソーラーパートナーズは住宅用です。
ビル・工場・店舗・マンションなどの産業用なら
タイナビNEXTが良いでしょう。
また、太陽光パネルは設置済みで
後付けで「蓄電池のみ」設置するだけなら、
タイナビ蓄電池が良いです。
いくつかの業者から見積りを取って比較しますが、
自分でやると手間と時間がかかります。
こういうサイトを利用すると一括で見積りが取れるので、とても便利です。
無料なので、お気軽にどうぞ。
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・産業用の「太陽光発電と蓄電池」をセットで導入するなら
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・後付けで「蓄電池のみ」設置するだけなら
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※住宅用と産業用の蓄電池に対応しています。
現地を調査してもらう
・太陽光発電を設置できるか
・どのように設置するか
など、専門家に判断してもらう必要があります。
このとき、
・設置する場所の図面
・単線結線図(電気的な接続などを示した図面)
を用意しておくと、スムーズに調査してもらえます。
見積りをもらう
現地調査で得た情報から見積もりを作成してもらいます。
契約前なので、ここまでの段階で料金は発生しません。
補助金を利用したい方は、
この段階までに「補助金申請を代行してもらえるか」を確認すると良いでしょう。
契約の手続きをする
見積もりの内容を確認し、特に問題がなければ、契約の手続きをします。
太陽光発電の工事をしてもらい、完成したら引き渡してもらいます。
自家消費型太陽光発電の手続きは、このような流れになります。
まとめ
太陽光発電の自家消費について解説しました。
「自家消費のみ」を目指す家庭が増えている理由、自家消費型への切り替え方法、手続きの流れについて、
理解できたでしょうか?
本記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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