- 電子工作パーフェクトガイドは初心者が読んでも分かるだろうか?
- 電子工作パーフェクトガイドを読むと何ができるようになるの?
こんな疑問にお答えします。
本記事を書いている私は、電子回路設計者として約10年になり、電子工作もやっています。
プロの視点から「電子工作パーフェクトガイド」の本を読んでみました。
本記事を読めば、
「電子工作パーフェクトガイド」は初心者でも読めるか?
「電子工作パーフェクトガイド」を読んで何ができるようになるか?
「電子工作パーフェクトガイド」を読み終えた後、どのようにステップアップするか?
これらが分かります。
3分で読めますので、電子工作の本をお探しの方は、是非ご覧ください。
電子工作パーフェクトガイドを読んでみた感想
結論、初心者にオススメです。
理由としては以下の2つ。
- 電子部品の基礎知識を習得できる
- 実際に作って動かす体験ができる
電子工作で成長するには、難しい理論から勉強するのではなく、
基礎知識を習得する
↓
実際に電子工作して動かす体験をする
↓
理論を勉強する
という流れが良いです。
本書では、基礎知識の習得と電子工作の体験に重点を置いています。
具体的に言うと、第1章・第2章では、基本的な電子部品の使い方や電子部品自体の解説があります。
ここで、電子工作に使う電子部品の基礎知識を習得できます。
使用する電子部品は以下の通りです。
- LED
- モーター
- 抵抗器
- トランジスタ
- コンデンサ
- コイル
- センサー
- スイッチ
また、第3章・第4章では、電子回路の動作原理と電子工作の解説があります。
ここでは、電子回路の動作をイメージできるようになり、電子工作の体験ができます。
実際に作れるものは以下の通りです。
- センサーライト(光センサを手で覆うとLEDが点灯)
- ヒューマンサウンダー(電極を触ると音が鳴る)
- ミニラジオ(ラジオが受信できる)
- アアアファン(「アー!」という音でモータが回る)
- オルタネット(光の点滅を音で表現する)
- キャパシタイマー(時間差でLEDが順次点灯する)
- RGBビジュアライザー(光でさまざまな色を表現する)
- ピーポーサイレン(光の点滅に合わせて音程が変化する)
- イルミラマ(6個のLEDがランダムに点滅する)
- ライントレーサー(黒い線に沿って動くロボットカーを作る)
最後に、第5章・第6章では、電子工作の全体像とマイコンの解説があります。
詳細な解説というよりは、次のステップアップのための基本的な解説という印象です。
なので、基礎知識と電子工作の体験に重点を置いているので、初心者にオススメです。
電子工作パーフェクトガイドのメリット、デメリット
電子工作パーフェクトガイドを実際に読んでみて感じたメリットとデメリットを解説します。
メリット
- 最低限、用意すべき電子工作の工具が紹介されている
- 説明に利用しているカラーイラストが見やすく分かりやすい
- 実際に作れる電子工作の部品リストが細かく紹介されている
- ハードウェアだけで完結しているものが多いので、ソフトウェア不要で電子工作でき、初心者に丁度よい
デメリット
あえてデメリットを挙げるのであれば、Arduinoとラズベリーパイの解説はさわり程度しかないことです。
とはいえ、Arduinoやラズベリーパイを本格的に解説すると、それだけで一冊の本になります。
電子工作の基本から解説している本書で、Arduinoやラズベリーパイまで詳細に解説するのは、
無理があるので仕方がないですね。
Arduinoのマイコンボードも使いこなせるようになりたい方は
「電子工作教室で大人向けのセミナー3選!」の記事を参考にしてください。
Arduinoを使った電子工作のセミナーを紹介しています。
電子工作パーフェクトガイドを読みながら電子工作しました
実際に電子工作パーフェクトガイドを読みながら
「RGBビジュアライザー(光でさまざまな色を表現する)」を作ってみました。
写真の奥にあるのが、赤、緑、青のLEDで、手前にある3つの黒い電子部品がトランジスタです。
真ん中にある3つの青い部品が可変抵抗で、この部品を回すことで抵抗値を可変し、
トランジスタに流すベース電流を調整します。
その結果、LEDに流す電流を制御できます。
左側の可変抵抗
→ 赤のLEDに流す電流を制御
真ん中の可変抵抗
→ 緑のLEDに流す電流を制御
右側の可変抵抗
→ 青のLEDに流す電流を制御
赤、緑、青の3色は光の三原色で、この3色でさまざまな色を表現できます。
例えば、赤と緑が混ざると黄色になるので、試しに青を消灯して、赤と緑を反射してみました。
なんとなく赤と緑が重なっている部分が黄色になっているのが分かると思います。
上図は黄色の例ですが、可変抵抗でLEDの光の強さを加減できるので、
3色の光の強さを調整しながら様々な色を表現できます。
このように、電子工作パーフェクトガイドを読みながら簡単に電子工作ができました。
これなら初心者でも挫折することなく作れると思います。
なお、私はブレッドボードを使って作りましたが、
電子工作パーフェクトガイドでは、ユニバーサル基板に半田付けして作っています。
好きな方法で良いと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
初心者は動画で経験値を上げる
電子工作パーフェクトガイドは、読み物としても勉強になりますが、
やはり、電子部品を買って実際に自分で工作すると良いでしょう。
せっかく部品リストが丁寧に紹介されているので、読んで終わりではもったいないです。
ただし、この本で紹介されているものを作っただけでは、同じものは作れるようになりますが、
自由自在に電子工作をできるようになるわけではありません。
どんな本でも、一冊の本を読んだだけでは、そこまでのレベルに到達するのは難しいでしょう。
なので、この本を読み終えたら、さらにステップアップとして、より多くの電子工作の経験を積むと良いです。
「そうは言われても何を作れば良いのだろう?」と思うかもしれません。
この本の電子工作はハードウェアだけで完結するものが多かったと思います。
最後の方に少し解説がありますが、次は、マイコンボードのArduinoを使って電子工作すると良いです。
ソフトウェアでマイコンボードを扱えるようになると、電子工作の幅がグッと上がります。
とはいえ、「自分にソフトウェアまでできるだろうか?」という方には、
動画を見ながら学習することをオススメします。
「電子工作教室で大人向けのセミナー3選!」の記事では、
Arduinoを使った電子工作のオンラインセミナーを紹介しています。
動画だとマイペースで進めることができるので便利です。
次のステップアップには丁度よいので、ぜひ参考にしてください。