- 電子工作のスイッチって、どんな種類があるの?
- 電子工作のスイッチを繋ぐ配線は何を使えば良い?
- スイッチの取り付け方法を知りたい。
こんな疑問に答えます。
本記事を書いている私は、電子回路設計者として約10年になり、電子工作もやっています。
電子工作で使用されるスイッチは色々な種類があり、
実際に、電子工作や製品開発のときにスイッチを使っています。
電源をON/OFFするとき、必ず必要になりますからね。
その経験に基づいて、電子工作のスイッチについて解説します。
本記事を読めば、電子工作のスイッチの種類と使い方が分かるようになりますよ。
3分で読めますので、これから電子工作のスイッチを使いたい方は、是非ご覧ください。
電子工作のスイッチの種類と動作
スイッチの種類と動作
電子工作でよく使われるスイッチのリストです。
- プッシュスイッチ
- タクトスイッチ
- スライドスイッチ
- トグルスイッチ
- デジタルスイッチ(DIPスイッチ)
- ロータリースイッチ
1つずつ解説します。
プッシュスイッチ
押すことでスイッチが切り替わる方式。
モーメンタリ型:押している間だけONになる
オルタネート型:押すたびにONとOFFが切り替わる
プッシュスイッチは、両方のタイプがあります。
タクトスイッチ
タクトスイッチも、押すことでスイッチが切り替わる方式。
ただし、タクトスイッチは「モーメンタリ型」です。
タクトスイッチは4端子あります。
久しぶりに使うと、どの端子がON/OFFで切り替わるのか、よく忘れます。
【スイッチOFFのとき】
【スイッチONのとき】
上図のように、スイッチをONすると、左側と右側の端子が繋がるようになります。
スライドスイッチ
レバーをスライドさせることで切り替えるスイッチ。2つのタイプがあります。
補足:スライドスイッチは2段階 or 3段階で切り替わる
上図のように、スライドスイッチは3段階で切り替わります。
また、2段階のスイッチ
この場合、真ん中の「3つの端子間は導通しない」という状態がありません。
3段階のときは、3ポジション や 3位置、
2段階のときは、2ポジション や 2位置、
という表現を使ったりします。
NO-COM間でON/OFFを切り替えるなら、NCは何もつながないでいいです。
NCを接続する必要があるのは、2つの動作を切り替える場合です。
先程説明した通り、スイッチを左側と右側に切り替えることで、
COMの接続先をNOとNCに切り替えることができます。
注意点は、スイッチの種類によって、NOとNCの端子位置が異なることです。
スライドスイッチは上図で説明したように、レバーをスライドした側の端子間が導通します。
しかし、次に解説するトグルスイッチは、レバーを傾けた側の端子は導通せず、逆側が導通します。
確認する方法は、データシートを見る、あるいはテスターで導通チェックします。
トグルスイッチ
レバーを左右に切り替える方式のスイッチ。これも2つのタイプがあります。
補足:トグルスイッチは2段階 or 3段階で切り替わる
上図のように、トグルスイッチは3段階で切り替わります。
また、2段階のスイッチ
この場合、真ん中の「3つの端子間は導通しない」という状態がありません。
3段階のときは、3ポジション や 3位置、オン/オフ/オン
2段階のときは、2ポジション や 2位置、オン/オン
という表現を使ったりします。
さらに、ON-OFFを切り替えるだけのトグルスイッチ
ややこしいですが、ONとOFFの2段階があるので、この場合も2ポジションと表現します。
2ポジション、オン/オフ
しかし、オン/オフという表現で区別できると思います。
間違えないように注意しましょう。
デジタルスイッチ(DIPスイッチ)
1個ずつ独立してON/OFFを設定できるスイッチ。
小型サイズで複数個のスイッチを利用できますが、
1個ずつのスイッチの電流容量は小さいので、大きな電流を流すことには向いてません。
マイコンを設定するときに、よく使われます。
ロータリースイッチ
円状の複数の接点に対して、ロータリー(回転)させてON/OFFするスイッチ。
いくつかの状態の中から1つだけを選択したいときや、順に切り替えたいときに使用します。
例えば、周波数を切り替えるような測定器で使用されます。
これも2つのタイプがあります。
補足:ロータリースイッチは様々な種類がある
ロータリースイッチには、様々な種類のものがあります。
上図の 2P6T、3P4T 以外にも、
などがあります。
2回路、3回路、4回路のような複数の回路は、1回路ずつ接続先の接点を決めることはできず、
全ての回路が連動して動作します。
電子工作のスイッチを入手するには?
電子部品のスイッチを販売している通販サイトは以下の3つです。
- Amazon
- 秋月電子
- 千石電商
この3つのサイトを一通り探せば、自分の欲しいスイッチが見つかると思います。
個人的には、Amazonがオススメです。
「送料無料」「初回送料無料」を利用できる場合が多いからです。
Amazon:送料無料 or 初回送料無料
秋月電子:送料500円 ~600円
千石電商:送料420円
送料が気になる方は、Amazonをどうぞ。
電子工作のスイッチを繋ぐ配線
スイッチを繋ぐ配線は上図のようなもので良いと思います。
ただし、自作した基板と、ケースに取り付けたスイッチを繋ぐ配線は、コネクタ付きのものオススメします。
配線をコネクタ付きにすると、取り外しできるので便利です。
後で基板を改良するときに、配線が基板に接続されたままだと作業がやりにくです。
また、ブレッドボードに回路を作成した場合は、ジャンパーワイヤーで接続することになります。
スイッチの取り付け方法
トグルスイッチの取り付け方法
電子工作用のケースに、トグルスイッチを取り付ける方法を解説します。
とはいっても、非常に簡単です。
- 「①トグルスイッチの本体」に「②六角ナット」を取り付けます。
- 次に「③菊座金」、「④回り止め座金」を取り付けます。
- 事前に「⑤電子工作用ケース」に穴を開けておき、そこに通します。
- 最後に「⑥六角ナット」を取り付けて固定します。
これだけで完了です。
六角ナットを取り付ける際は、ペンチを利用して、しっかりと固定しましょう。
ペンチなどの工具は、電子工作の工具でおすすめ9選!の記事で紹介していますので参考にしてください。
また、電子工作用のケースに穴を開ける方法は、電子工作のケースを入手して加工する方法 の記事をどうぞ。
動画で解説しています。
音や無線のスイッチもある
音のスイッチ
スイッチといっても、機械的なスイッチではなくモジュールです。
モジュールとは、電源Vcc、GND、OUTの3pinと接続することができます。
音の強さが一定値よりも低い場合、モジュールのOUTピンから High が出力されます。
音の強さが一定値よりも高い場合、モジュールのOUTピンから Low が出力されます。
これをマイコンと接続することで、ON/OFFを認識することができます。
無線のスイッチ
こちらもモジュールです。
リモコンのスイッチで、基板上のリレー(青色)のON/OFFを制御することができ、
下側の端子台(緑色)からON/OFFを出力することができます。
色々なアプリケーションで利用可能です。
スイッチ入切の瞬間だけONになる回路
回路図「point」の電圧波形:
V(point)の信号(青線)
回路図「OUT」の電圧波形:
V(out)の信号(赤線)
スイッチをONした瞬間(青線:High→Low)、OUTの信号(赤線)が一瞬だけ High になっています。
スイッチをOFFした瞬間(青線:Low→High)、OUTの信号(赤線)が一瞬だけ High になっています。
このように、スイッチをONあるいはOFFした瞬間だけ ON することができます。
この回路のU1~4は、EXCLUSIVE-ORゲートを使用しています。
4回路使用していますので、東芝製のTC4030BPとか、74HC86 を使用すると良いでしょう。
EXCLUSIVE-ORゲートが4回路入っています。
ただし 74HC86 は、電源の範囲が2V~6Vなので、15V電源の場合は TC4030BP を使用します。
なお、OUTの信号(赤線)のパルス幅は、抵抗R4とコンデンサC3で変えられます。
上図においては、
パルス幅(時間)= 0.7 × R4 × C3 = 0.7 × 10kΩ × 10uF = 70ms
となっています。
まずは電子工作のスキルを身につける
当たり前ですが、スイッチだけ用意しても何もできません。
まずは、「電子工作教室で大人向けのセミナー3選!」でスキルを身につけて
電子工作できるようになりましょう。
スキルを身につけたら、ベストな種類のスイッチを選定できるようになったり、
自分で回路を作成して、スイッチを活用できるようになります。
この機会に是非チャレンジしてみましょう。