- 電子工作で何が作れるか、アイデアを知りたい。
- 電子工作のアイデアは思いつくけど、製作するにはどうすればいい?
こんな疑問に答えます。
本記事を書いている私は、電子回路設計者として約10年になり、電子工作もやっています。
実際にアイデアを出して電子工作した経験もあります。
本記事を読めば、電子工作のアイデアの出し方や製作する方法が分かるようになりますよ。
3分で読めますので、これから電子工作でいろいろ作りたい方は、是非ご覧ください。
電子工作のアイデアを閃く方法
まずは世の中の電子工作を調べてみる
電子工作でアイデアを出す方法は、世の中にある電子工作を調べることです。
なぜなら、ゼロからアイデアを出すのは難しいから。
まずは、世の中でどんなものが作られているのか知ることが大切です。
その方法は以下の通り。
- 電子工作の本で調べる
- 動画で調べてみる
1つずつ解説します。
電子工作の本で調べる
「世の中にある電子工作を調べるといっても、実際にものを入手して分解する・・・」
なんてやってたら時間がかかってしまいます。
やってみても良いですが、初心者の方は知識が不足しているので、
何も理解できないまま分解して終わるのがオチです。
まずは、本を利用して電子工作品を調べましょう。
こういうときに参考になる本は以下の通り。
これらのアイデア集を読んで、「電子工作でこんなものが作れるんだ」と認識することができます。
動画で調べてみる
電子工作で作られたものは、youtubeでたくさん紹介されています。
以下は一例です。
LEDで 3×3×3 のLEDキューブを作っています。
LEDは平面上に並べることが多いですが、立体的にするのは良いアイデアですね。
ゴミを捨てようとすると、自動的に蓋が開くゴミ箱を作っています。
ゴミ箱に近づくと超音波センサで検知して、モータで蓋を自動的に開けています。
シンプルな電子工作なので、初心者でもちょっと頑張ればできそうですね。
LEDを直列に並べて回すことで時計を作っています。
LEDの残像を利用していますね。
この電子工作から「LEDは残像を利用することができる」ことを知ることができます。
自分で、これを思いつくのは難しいですよね。
なので、世の中の電子工作を調べることは大事です。
アイデア出しをする
「世の中の電子工作を調べて、こんなことができるんだ」
と思ったら、自分でもアイデアを出してみましょう。
アイデアを出すといっても、ゼロから考えるのはやはり難しいので、
今まで調べた電子工作を、少し工夫するところを目指すのが良いと思います。
例えば、先程のゴミ箱は、
人が近づいたらゴミ箱の蓋が自動的に開く
→ 超音波で検知してモータを回す
という動作をしてました。
この動作を少し工夫して、「モータを回す」から「ブザーを鳴らす」に変えてみます。
すると、
超音波で検知してブザーを鳴らす
→ 人が近づいたらブザーが自動的に鳴る
となり、自動お知らせ装置というアイデアが出てきます。
空き巣対策の防犯装置に使えそうですね。
電子工作キットで作ってみる
それでも全然アイデアが出ない人は、手を動かしてみるのが良いです。
一度、自分の手で、電子工作キットを利用して何か作ってみましょう。
なんとなく、アイデアが浮かんでくると思います。
どんな電子工作キットを利用すれば良いか分からない人は、
の3つから選ぶと良いでしょう。
詳しくは、
「電子工作キットを3種類比較した。全ておすすめです。」の記事で解説していますので参考にどうぞ。
電子工作のアイデアから製作する方法
ここまでの解説で、勘のいい人は
電子工作物が動作するときの「全体の流れ」に気づいたかもしれません。
この「全体の流れ」をこれから解説していきます。
電子工作物が動作する全体の流れを知る
簡単に言うと、マイコンを中心に考えるということです。
つまり、
入力 → マイコン → 出力
というのが、全体の流れです。
例えば、「スイッチをONしてLEDを光らせる」という簡単な電子工作をする場合、
入力:スイッチON
マイコン:スイッチONの情報を受け取り、LEDが光るように指示を出す
出力:LEDが光る
となります。
もう1つ例をあげます。
「超音波センサで検知してモータを回す」という電子工作をする場合、
入力:超音波センサで検知する
マイコン:検知した情報を受け取り、モータが回るように指示を出す
出力:モータが回る
となります。
これで気づいた人もいると思いますが、
マイコンへ入力して、
マイコンから出力する
というのが、電子工作の全体の流れの基本になります。
この全体の流れを理解したら、次に解説するようにアイデアを機能ごとに分解していきます。
アイデアを機能に分解し、部品を決める
電子工作でこんなものを作りたいと思ったら、それを機能に分解します。
例えば、
センサを使って簡単に距離を測りたい
と思ったら、必要な機能に分解します。
入力:センサで距離データを取得する
マイコン:距離データを受け取り、表示器に送信する
出力:表示器に表示する
上記のように分解したら、使用する部品を決めます。
センサで距離データを取得する → 赤外線センサ
距離データを受け取り、表示器に送信する → Arduino
表示器に表示する → LCD
上記のように決めて、製作すると以下のようになります。
赤外線センサで測定した距離がLCDに表示されていることが分かります。
なお、ブレッドボードで製作しましたが、ちゃんと基板を自作してケースに収納したいという方は
「電子工作のケースを入手して加工する方法」の記事を参考にどうぞ。
また、距離を測るセンサとしては超音波センサもよく使われます。
安価に入手できるので覚えておくと役立つ時がくるでしょう。
このように「アイデア出し → 機能に分解 → 部品決め」というステップで、
アイデアから電子工作物を製作することができます。
よくある質問1:アナログ回路とデジタル回路を組み合わせた電子工作は何がありますか?
これまで解説した「赤外線センサを利用した距離計」です。
超音波もよく利用されるので「超音波距離計」でも良いですね。
その他の電子工作としては、「温度計」があります。
入力:センサで温度を取得する
マイコン:温度を受け取り、表示器に送信する
出力:表示器に表示する
上記のような機能に分解できます。
なお、温度センサはLM35がよく使われます。
よくある質問2:遠隔操作でスイッチをON/OFFする方法はあるでしょうか?
無線リモコンを使用する方法があります。
リモコンをON/OFFすると、下側の端子台(緑色)からON/OFFを出力することができます。
これをスイッチとして利用すれば、遠隔で操作できます。
セミナーを利用するのと効率的
アイデア出しから製作するまで時間がかかりそうだと思った方は、
電子工作のセミナーを受講すると効率的です。
「電子工作教室で大人向けのセミナー3選!」の記事で、電子工作のセミナーを紹介しています。
セミナーの中では必要となる部品も紹介していますので、効率的に製作することができます。
一度セミナーで経験値を積むと、アイデア出しの幅も広がると思います。ぜひ利用してみてください。