- 電子工作のケースはどこで入手するの?
電子工作で自作した基板をケースに固定したいです。 - ケースの穴空け加工はどうすれば良いでしょうか?
スイッチをケースに取り付けたいです。 - 電池を取り替えられるように、ネジ止めではなく、パチッとはめられるケースはあるでしょうか?
- ケースに取り付けたスイッチと基板をつなぐリード線が繋がったままなので、
基板を改良するときに作業しにくいです。どうすればよいでしょうか?
こんな疑問に答えます。
本記事を書いている私は、電子回路設計者として約10年になり、電子工作もやっています。
基板を作った後、ケースに入れて格好よく仕上げたいですよね。
本記事を読めば、自分の意図通りに電子工作のケースを入手できたり、自作できたりしますよ。
3分で読めますので、電子工作のケースを用意したい方は、是非ご覧ください。
電子工作のケースを入手する方法と選び方
結論、Amazonで簡単に手に入ります。
基本的に、タカチ電機工業のケースを選ぶと良いです。
100均で手に入るケースを使う人もいるかもしれませんが、品質が微妙なので私はオススメしません。
電子機器のケース・ボックスなどを製造しているメーカーのタカチ電気工業が良いでしょう。
材質は、アルミケースとプラスチックケースから選ぶのが一般的です。
人によっては、アクリルケースで作る人もいます。
内部を見えるようにしたい場合には便利ですね。
個人的にはアルミケースがオススメです。
理由は、簡単に加工できるからです。
アルミケースは厚さが1.0mmの場合が多く、加工が簡単です。
また、アルミケースは金属なのでノイズに対して強くなるというメリットもあります。
具体的には、
アルミケース内部の基板に、外部から入ってくる電磁波ノイズを遮断する、
逆に、アルミケース内部の基板から、外部に放射する電磁波ノイズを遮断する
という効果があります。
なので、特にこだわりがない人は、アルミケースを利用すると良いでしょう。
よくある質問1:色々な種類があるので、どれを選べば良いかわかりません
どれを選べば良いかわからない人には、以下のタカチ製ケースを選んでおけば、ほとんどの場合は大丈夫だと思います。
ただし、自分の作った基板が入るサイズかどうかは事前に確認しましょう。
よくある質問2:アルミケースは電気を通すので危険ではないですか?
基板がアルミケースに接触すると、ショートして危険と思うかもしれませんが、
実際にはスペーサーを使って、基板の半田付け部分がアルミケースに接触しないように設計するので
大丈夫です。
具体的に解説します。
この写真では、基板をアクリルケースに固定しています。
基板とアクリルケースの間に金属のスペーサーを挟むことで、
基板とケースが接触しないように浮かしています。
固定方法は、アクリルケース、スペーサー、基板に金属のネジを通過させて、六角ナットで固定しています。
アルミケースの場合は、以下のようなプラスチックのスペーサーを使って、
基板とアルミケースが接触しないようにすると良いでしょう。
また、ネジもプラスチックにすれば、基板とアルミケースが導通することはなくなります。
プラスチック製のスペーサーやネジもAmazonで簡単に手に入れることができますので、是非ご利用ください。
よくある質問3:電池を取り替えたいので、ネジ止めではなく、パチッとはめられるケースはありますか?
あります。
アルミケースではなく、プラスチックケースになりますが、タカチ製のOPシリーズが良いです。
これも自分の作った基板が入るサイズかどうかは事前に確認しましょう。
タカチ電機工業 OP型開閉プラスチックボックス OP-125G
奥行:125mm × 幅:100mm × 高さ:45mm
タカチ電機工業 OP型開閉プラスチックボックス OP-150G
奥行:150mm × 幅:120mm × 高さ:50mm
タカチ電機工業 OP型開閉プラスチックボックス OP-180G 奥行:180mm × 幅:145mm × 高さ:55mm
また電池ボックス(電池ホルダー)もAmazonで簡単に手に入りますのでどうぞ。
» Amazonの電池ボックスはこちら電子工作のケースに穴空け加工する方法
百聞は一見に如かず、以下の動画をご覧ください。
同じようにすれば、加工できます。
実際に加工する際は、怪我しないように十分に注意してください。
動画で紹介されている工具です。
【センターポンチ】
【キリ】
【ステップアップドリル】
【電動ドリル】
【リーマ―】
【棒やすり】
【バリ取り(面取り)】
よくある質問1:ケースに穴を開けるとき、電動ドリルで空けられる穴よりも大きい穴は、どうやって開ければ良いでしょうか?
先程の動画でも紹介しましたが、ステップアップドリルを使いましょう。
ステップアップドリルなら簡単に大きな穴を開けられます。
例えば、動画でも解説しているように、スイッチやボリュームは、結構大きな穴を開ける必要があります。
これらの部品を取り付けるためにステップアップドリルは重宝します。
電子工作のケースを作る際の注意点
電子工作のケースを作る際の注意点は以下の3つです。
- 怪我をしないように十分、気をつける
- 後で基板を取り出すことも考える
- まずは電子工作のスキルを身につける
1つずつ、みていきましょう。
怪我をしないように十分、気をつける
言うまでもありませんが、怪我をしてしまっては元も子もありません。
少しでも危ないなぁとか、今日は調子が悪いなぁと思ったら、ケースを作るのをやめましょう。
怪我してまで作るものではありません。
後で基板を取り出すことも考える
後で基板を改良することがあるかもしれません。
基板を改良するためには、基板をケースから取り出す必要があります。
例えば「ケースの蓋に取り付けたスイッチ」と「基板」が、リード線で繋がっていると、
リード線がつながったまま基板を改良することになるので、作業がしにくくなります。
このような場合を想定し、
リード線にコネクタを挟んで脱着可能にしておく
というように、事前に工夫して作っておくと、あとあと便利だと思います。
基本的には、使いやすいコネクタにすれば良いですが、 1つだけ注意点があります。
それは、小さいサイズのコネクタを選ぶということです。
なぜかというと、ケースの穴に通すからです。
スイッチなどは、ケースの穴に外側から取り付けることが多いので、
スイッチと繋がるリード線にコネクタを付けると、そのコネクタをケースの穴に通す必要があります。
このとき、コネクタが大き過ぎると、
ケースの穴に通せないから、ケースの中の基板と接続できない・・・
なんてことになってしまいます。
しかも、それに気づくのは、いざスイッチを取り付けるときなので、 一度リード線にコネクタを付けたあと、
もう一度、小さいコネクタを取り付け直すという手間が発生し、非常に面倒です。
「どんなコネクタを使えば良いのだろう?」と思った方は、
電子工作でよく使われるQIコネクタをオススメします。
このコネクタなら小さく作ることができます。
まずは電子工作のスキルを身につける
ケースを入手したり、加工したりするのは、電子工作の仕上げの段階です。
なので、これから電子工作を始める方、まだ電子回路の勉強をしている方などは、
一旦、ケースづくりは置いといて、まずは電子工作のスキルを向上する方に専念した方が良いでしょう。
何から勉強すれば・・・
勉強に行き詰っている・・・
という方は、「電子工作教室で大人向けのセミナー3選!」の記事を参考にしてください。
電子工作を動画で勉強することができます。
最近は動画で学習するのが効率的だと思いますので、ぜひ参考にしてください。