
- おすすめの直流安定化電源を知りたい。
- 色んな直流安定化電源があるけど、結局どれがいいの?
このような疑問に答えます。
この記事を書いている私は、電子回路設計者として約10年。
日々、仕事で直流安定化電源を使っていますので、
実際に使って価値のあった直流安定化電源を紹介します。
本記事を読めば、どの直流安定化電源を使えば良いか分かりますよ。
3分程度で読めるので、直流安定化電源を入手したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
直流安定化電源のおすすめ5選!
定番メーカー:KIKUSUIの直流安定化電源 PMX35-1A
出力電圧:0~35V
出力電流:0~1A
仕事で使っています。
計測器全般に言えることですが、仕事で使う電源は信頼できるものが良いので、
日本製の定番メーカーが良いですね。
特に電源は電子回路のエネルギー供給源なので、ここが不安定だと、電子回路の全ての動作に影響します。
また仕事で問題を起こすと色々と面倒なので、過電流保護などの保護機能が付いているのが良いところです。
仕事で使っている電源なので、お値段は高めです。
KIKUSUIの直流安定化電源PMXシリーズは、
出力定格(出力電圧/出力電流)に応じて、いくつかのタイプがあります。
・PMX18-2A 出力電圧:0~18V 出力電流:0~2A
・PMX18-5A 出力電圧:0~18V 出力電流:0~5A
・PMX35-1A 出力電圧:0~35V 出力電流:0~1A
・PMX35-3A 出力電圧:0~35V 出力電流:0~3A
+24Vの電源が欲しいなら、PMX35-1A、PMX35-3A
から選びましょう。
電子工作におすすめ!Jesvertyの直流安定化電源 SPS-3010M
出力電圧:0~30V
出力電流:0~10A
プライベートの電子工作で使ってます。
使ってみた感想としては、コストパフォーマンスに優れすぎです。
先程のKIKUSUIの電源に比べて、価格が安いにも関わらず性能が高い。
また、出力電圧や電流を調整するとき、設定したい桁を選択したら、
ツマミを回すことで桁単位で値を設定できるので、出力したい電圧や電流の値を調整しやすいです。
個人の電子工作で使用するなら、これで十分でしょう。
実験室にも使える!Kiprimの直流安定化電源 DC310S
出力電圧:0~30V
出力電流:0~10A
実験や電子工作で便利なのは、設定値をメモリに保存できること。
よく使う条件を呼び出せるので効率的です。
他の安定化電源との違いは、電圧・電流の値だけでなく、電流や電圧の変化をグラフで表示できます。
変化の推移が見れるのは便利ですね。
Jesvertyがシンプルで安価な「入門モデル」なのに対し、
Kiprimは少し価格が高くなりますが、その分「実験室レベル」で使えます。
日本メーカーで安心!A&D(エーアンドデイ)の直流安定化電源 AD-8723D
出力電圧:0~30V
出力電流:0~1.5A
直流安定化電源のメーカとして、A&D(エーアンドデイ)も有名です。
KIKUSUIはちょっと高いなぁという場合は、A&Dの直流安定化電源を使用すると良いでしょう。
価格がKIKUSUIよりも安く設定されています。
AD-8723Dは1.5A出力ですが、2.5Aの出力電流が必要ならAD-8724Dもあります。
直列・並列接続対応!A&Dの直流安定化電源 AD-8735D
出力電圧:0~30V
出力電流:0~3A
A&Dの直流安定化電源には、直列接続と並列接続ができるAD-8735Dがあります。
※かつてはアナログ表示タイプの AD-8735A も販売されていましたが、現在は販売終了となっています。
購入を検討する場合は、AD-8735Dを選ぶと良いでしょう。
直列接続の方法
直列接続の方法は以下の通り。

電圧:30V、電流:3A の直流安定化電源を直列につないでいるので、
電圧:60V、電流:3A を出力できるようになります。
並列接続の方法
並列接続の方法は以下の通り。

電圧:30V、電流:3A の直流安定化電源を並列につないでいるので、
電圧:30V、電流:6A を出力できるようになります。
直流安定化電源の直列接続と並列接続の注意点
一般的に、直流安定化電源を直列や並列に接続するのは止めた方が良いです。
なぜなら、2つの直流安定化電源の出力電圧の値は、必ずしも同じ値にならないため、
電圧の高い方の電源から低い方の電源に電流が逆流して、故障してしまいます。
どうしても1つの直流安定化電源だと、
- 出力電圧が足りない
- 出力電流が足りない
という場合は、
- より大きな出力電圧/電流の直流安定化電源を用意する
- AD-8735D
のような直列/並列接続対応タイプを利用する
のどちらかの対応しかありません。
なお、AD-8735Dは、なぜ直列/並列接続が可能なのかというと、
トラッキング機能が付いているからです。
トラッキング機能があると、1台をマスター、もう1台をスレーブと設定することができます。
この機能により、マスターの出力電圧を変化させると、
それに伴いスレーブの出力電圧もマスターに追従して同じ電圧値に変化します。
つまり、2つの出力電圧が同じになるように制御できるので、故障の心配がなくなります。
なので、基本的には直列/並列接続で使用しない方が良いですが、
どうしても直列/並列接続で使用したい場合は、直列/並列接続対応タイプの直流安定化電源を利用しましょう。
よくある質問:安定化電源から両電源(+電源と-電源)を得る方法はありますか?

正負電源モジュールを利用しましょう。
1つの電源モジュールで、簡単に±電源を得られるので、非常に便利です。
詳しく解説していきます。
番外編:電子工作に便利な電源モジュール2選!
正負電源モジュール LM317
アナログ回路で、オペアンプに両電源(+電源と-電源)が必要になることがあります。
そのようなときに便利なのが、LM317を使った正負電源モジュールです。
この電源モジュールであれば、
入力電圧:3〜40V
に対して、
出力電圧:1.25V〜37V、-1.25〜-37V
が得られます。
ぜひ活用してみてください。
ブレッドボード用電源モジュール
入力方法:USB Type-C または 内蔵リチウムイオン電池で駆動
出力電圧:5V / 1.5A、3.3V / 1A
ブレッドボードで電子回路を組むときに意外というか、けっこう重宝するのが、この電源モジュールです。
ブレッドボードに直接差し込んで使用でき、いちいちUSB電源を引かなくてよいので、とても気に入っています。
- ちょっとしたブレッドボード実験を手軽に動かしたい
- 配線を減らしてスッキリさせたい
こんな方におすすめの電源モジュールです。
特殊用途におすすめの電源3選!
ミニ四駆・ラジコンにおすすめ!Hitec Multi-charger X1 AC Plus 4
充電電流 :0.1A~12A
放電電流 :0.1A~2.0A
DC電源出力:2.0~30.0V、 最大 12A、最大 100W(AC入力時) 200W(DC入力時)
ラジコンやミニ四駆のバッテリーを使うなら、安全で信頼できる充電器は必須です。
その中でもおすすめなのが、Hitecの X1 AC Plus 4。
高出力なので、バッテリーを効率よく充電できます。
対応するバッテリーの種類も多いので、ミニ四駆など、さまざまなホビー分野で使えます。
- Li系(Li-Po / Li-Fe / Li-ion / Li-HV):1~6セル
- Ni系(Ni-MH / Ni-CD):1~15セル
- 鉛蓄電池(PB):3S / 6S / 12S
さらに、ブラシモーターのブレークイン機能を備えており、モーターの動作が安定します。
走行時の性能をスムーズにできることが、嬉しいポイントです。
- ミニ四駆やラジコンのバッテリーを効率よく充電したい
- ブラシモーターの性能を引き出したい
- 1台でさまざまな種類のバッテリーを扱いたい
こんな方におすすめですね。
屋外や防災に安心!Jackery ポータブル電源 1000 New
容量:1070Wh
定格出力:1500W
重量:約10.8kg
アウトドアでの電源確保には、ポータブル電源があると安心です。
このポータブル電源は、1000Whクラスでは業界トップクラスの「軽さ」と「コンパクトさ」を実現しています。
それにもかかわらず、電子レンジやコーヒーメーカーなどの高出力にも対応できるのがスゴイですね。
さらに、
- UPS機能搭載で、停電時も使える
- 複数のの出力ポートでスマホやノートPCを同時に充電できる
といった特徴もあり、幅広く活用できます。
- アウトドアで電源がほしい
- 防災用に電源を確保したい
こんな方におすすめの1台です。
オーディオでおすすめの安定化電源
出力電圧:5V
出力電流:最大3.5A
オーディオ機器となると、ちょっとした電源ノイズも音質に影響してきますので、
スイッチング電源よりもリニア電源の方がオススメです。
理由は、低ノイズだからです。
スイッチング電源は、その言葉の通り、ON/OFFを繰り返しているので、
ON/OFFする瞬間にノイズが発生します。
リニア電源はスイッチングしませんので、低ノイズです。
なので、上記のようなリニア電源を使うと良いでしょう。
また、このリニア電源は、ラズベリーパイをオーディオ機器として使う場合にも利用できます。
その場合、Volumioというディストリビューションをラズベリーパイにセットアップする必要があります。
興味のある方はどうぞ。
まとめ:おすすめ直流安定化電源5選
- 業務で安心 → KIKUSUI PMX35-1A
- コスパで選ぶ → Jesverty SPS-3010M
- 実験室レベル → Kiprim DC310S
- 日本メーカーで安心 → A&D AD-8723D
- 直列/並列対応 → A&D AD-8735D
ぜひ自分の用途に合った直流安定化電源を見つけてください。